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条件・条項の深掘り

優遇料率が外れる年商はいくらか

閾値が2,000万・2,500万・3,000万に割れている理由と、実効料率が跳ねる地点

書類を虫めがねで確かめるてんちょさんとピタのイラスト
条件・条項の深掘り優遇料率が
外れる年商

料金は公式サイトの記載をもとに 2026-10-20 に確認しました。

先に結論

24ヶ月・端末1台・クレカ60%(Visa/Mastercard 70%)で実効料率を計算した場合

  • 年商1,000万円台の店どの閾値も当面は関係しない。固定費のかからないサービスを月間決済額別の比較で選ぶ
  • 年商3,000万円に近づいている店閾値の分母を確かめる。Squareは年3,000万円で実効料率が0.45ポイント上がる
  • 年商3,000万円を超える見込みの店Visa・Mastercardの合計で数えるスマレジ・PAYGATEは、年3,600万円でも優遇が続く計算

各社が掲げる「Visa/Mastercard 1.98%」「2.5%」といった低い料率があります。これらはほぼすべて中小事業者向けの優遇料率です。優遇には年間決済額の上限があり、超えると通常料率に戻ります。ところが、その上限は金額も「何の合計で数えるか」も各社で違います。同じ年商の店でも、あるサービスでは優遇が続き、別のサービスでは外れる、ということが起きます。

読者役のてんちょさん

低い料率が出ていても、いつまで続くのかが分かりません。

案内役のピタ(電卓のキャラクター)

優遇は年間決済額の上限を超えると通常料率に戻ります。上限は各社で違います。

閾値の一覧(2026年10月20日時点の公式サイト)

サービス 閾値の金額 何の合計で数えるか その他の条件
Airペイ Visa 2,000万円以下/Mastercard 1,000万円以下/JCB等 1,000万円以下 ブランド別の年間決済額(直近1年) 中小企業、店頭掲示ツールの掲出、指定業種を除く
Square 3,000万円未満 年間キャッシュレス決済額全体 中小企業、主要ブランドの対面決済
STORES 決済 3,000万円以上で通常料率 事業者全体の年間(1〜12月)決済総額(ネットショップのオンライン決済は含まない) 中小企業、上場企業の持分法適用会社・連結子会社・フランチャイズ提携先でないこと。申請が必要(2026年9月25日に再確認。年3,000万円以上の料率は2026年10月20日に料金ページで確認)
スマレジ・PAYGATE 2,500万円以内 Visa・Mastercardの合計(直近1年) 中小企業、非上場、新規加盟店、対象外業種を除く
stera pack 2,500万円以下 Visa・Mastercardの売上見込み(年) 中小企業、上場企業グループ非所属、対象外業種(たばこ・百貨店・旅行代理店・宿泊・運輸・不動産)を除く
USEN PAY 3,000万円未満 年間キャッシュレス総額 中小企業。USEN PAY ENTRY・QRは優遇対象外
楽天ペイ(実店舗) 3,000万円以下 年間キャッシュレス総額 中小企業等、上場・フランチャイズ非該当、対象外業種を除く

分母が3種類あります。

  • ブランド別(Airペイ)
  • Visa・Mastercardの合計(PAYGATE、stera pack)
  • キャッシュレス総額(Square、STORES、USEN PAY、楽天ペイ)
案内役のピタ(電卓のキャラクター)

数える分母は3種類。ブランド別、Visa・Mastercardの合計、キャッシュレス総額です。

分母が違うと、外れる年商が倍近く変わる

クレジットカードが決済全体の60%、そのうちVisa・Mastercardが70%という構成を仮定します。この場合、年商(キャッシュレス総額)に対する各分母は次のようになります。

  • キャッシュレス総額 = 年商そのもの
  • Visa・Mastercardの合計 = 年商 × 60% × 70% = 年商の42%
  • JCB等の合計 = 年商 × 60% × 30% = 年商の18%
案内役のピタ(電卓のキャラクター)

カード60%・Visa/Mastercard70%と仮定すると、合計は年商の42%になります。

読者役のてんちょさん

数える分母が違うと、優遇が外れる年商が倍近く変わるのですね。

これを閾値に当てはめると、優遇が外れる年商は次のとおりです。

サービス 優遇が外れる年商(上記の構成での計算)
Square、STORES、USEN PAY、楽天ペイ 年商3,000万円
スマレジ・PAYGATE、stera pack、PayCAS Mobile 2,500万円 ÷ 42% = 年商約5,950万円(PayCAS Mobileは「2,500万円未満」)
Airペイ 最初に効くのはJCB等の1,000万円。1,000万円 ÷ 18% = 年商約5,550万円(Visaの2,000万円が効くのは年商約6,800万円)

キャッシュレス総額で数える4社は、年商3,000万円で一斉に外れます。Visa・Mastercardで数える3社とAirペイは、その約2倍の年商まで優遇が続く計算になります。カード比率やブランド構成が違えば、この分岐点も動きます。

実効料率が跳ねる地点

当サイトの総額シミュレーターで、実効料率(期間総額÷期間決済額)を計算しました。条件は次のとおりです。

  • 24ヶ月・端末1台
  • クレカ60%(Visa/Mastercard 70%)・電子マネー15%・QR25%
  • 振込先は指定銀行以外

結果は次の表のとおりです。

サービス 年1,800万円 年2,400万円 年3,000万円 年3,600万円
Airレジ+Airペイ 2.78% 2.78% 2.78% 2.78%
Square 2.81% 2.81% 3.26% 3.26%
STORES レジ+決済(フリー)(仮定計算) 2.86% 2.84% 3.29% 3.28%
STORES レジ+決済(スタンダード)(仮定計算) 2.78% 2.72% 3.22% 3.19%
スマレジ+PAYGATE 2.90% 2.85% 2.82% 2.79%
stera pack(スモールビジネスプラン)(仮定計算) 2.71% 2.68% 2.59% 2.59%
USEN PAY(仮定計算) 3.19% 3.18% 3.28% 3.27%
楽天ペイ(実店舗)+ターミナル(一部未確認) 2.81% 2.77% 2.74% 3.39%
PayCAS Mobile 3.17% 3.08% 3.03% 2.99%
PayCAS Mobile(ライトプラン あんしんプラス) 3.04% 2.91% 2.84% 2.79%
年商別の実効料率(主な6サービス)
2.4%2.6%2.8%3.0%3.2%3.4%年1,800万年2,400万年3,000万年3,600万楽天ペイ 3.39%USEN PAY 3.27%Square 3.26%STORES スタンダード 3.19%Airペイ 2.78%stera pack 2.59%

上の表の値をグラフにしたもの(STORES はスタンダードプラン。楽天ペイは端末代を含まない)。ほかのプランは表を参照してください。

年3,000万円のところで Square・STORES・USEN PAY が跳ねます。 Squareは2.81%から3.26%へ0.45ポイント、STORESスタンダードは2.72%から3.22%へ0.50ポイントの上昇です。STORESは税区分が公式にないため、表記の料率のまま計算した値です。STORESは年3,000万円以上になると、対面のクレジットカード決済全体が通常料率になります。Visa/Mastercardだけではありません。決済額が増えたのに実効料率が上がるため、年間の負担額は跳ね上がります。

PRSquare

楽天ペイは1段遅れて年3,600万円で跳ねます。 条件が「3,000万円以下」なので、ちょうど3,000万円までは優遇の内側だからです。Squareは「3,000万円未満」なので、3,000万円ちょうどでは外れます。以下と未満の1文字で、境界の扱いが逆になります。

Airペイ、PAYGATE、stera pack、PayCAS Mobile は年3,600万円でも優遇が続きます。 分母がブランド別やVisa・Mastercard限定だからです。

このうち月額のあるPAYGATE・PayCAS Mobileは、決済額が増えるほど固定費が薄まります。そのため、実効料率はむしろ下がり続けます。Airペイは固定費がないため、2.78%のまま変わりません。

ただしAirペイの優遇は、Visa と Mastercard の割合を7:3と置いた計算です。年3,600万円では、割合しだいでMastercardの1,000万円を超えます。そのため、この区分のAirペイは「仮定計算」です。

stera packは、公式サイトに「直近1年間の累計キャッシュレス売上が3,000万円以上の場合、サービス利用料は永年無料」と書かれています。この計算では、年3,000万円以上の区分で2年目以降の月額3,300円を0円にしています。この扱いは2026年10月20日に公式サイトで確認しました。

成長する店ではどう考えるか

年商が3,000万円に近づいている、あるいは超える見込みがあるなら、閾値の分母を確認する意味が大きくなります。キャッシュレス総額で数えるサービスを選んでいるとします。売上が伸びた年には、実効料率がSquare・STORESでは0.45〜0.50ポイント上がります。月間250万円(年3,000万円)の店なら、0.45ポイントは年間13万5,000円に相当します。

案内役のピタ(電卓のキャラクター)

年商が3,000万円に近づく店は、閾値の分母を先に確かめておきましょう。

一方で、いま年商1,000万円台の店にとっては、どの閾値も当面は関係しません。その段階では月間決済額別の最安比較で見たとおり、固定費のかからないサービスが有利です。閾値は「いつか効いてくる条件」として、乗り換えコスト(解約条件・端末の扱い)と合わせて見ておく項目です。

この計算の前提

案内役のピタ(電卓のキャラクター)

この計算はあくまで仮定の構成比です。構成比が違えば分岐点も変わります。

  • カード比率60%・Visa/Mastercard比率70%という仮定を置いています。実際の構成比が違えば分岐点も変わります。シミュレーターで自店の構成比を入れて確認できます。
  • Airペイの判定は、公式の閾値がブランド別であるため、Visa:Mastercard=7:3と仮定しています。Mastercardの比率が高い店では、1,000万円の閾値が先に効きます。
  • 中小企業要件・業種要件は満たすものと仮定しています。stera packと楽天ペイには対象外業種の定めがあり、該当すると年商にかかわらず優遇を受けられません。
  • USEN PAYの優遇非適用時の通常料率は公式に記載がないため、3.24%と仮定して計算しています。
  • 表とグラフはシミュレーターと同じ計算プログラムから自動で作っており、公開前に計算結果との一致を確認しています。楽天ペイは端末本体価格が公式サイトに掲載されていないため、端末代を含まない値です。

各社の条件の原文は決済手数料の比較に掲載しています。掲載データの確認日は2026年10月20日です。

公式サイト・申込窓口

出典と調べた日(2026-10-20)

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