飲食料品の消費税1%でレジは何をする?
2027年4月からの税率引下げ(予定)とレジ・値札・補助金の準備を、国税庁と中小企業庁の資料で確認する
料金確認 2026-10-20更新 2026-10-20

レジは何をする?
料金は公式サイトの記載をもとに 2026-10-20 に確認しました。
先に結論
2027年4月からの飲食料品の税率引下げ(予定・法案成立が前提)に、レジ側で備える場合
- テイクアウトもある飲食店1%の設定と、店内飲食・テイクアウトの税率の切り替えができるかを確かめる
- 定期便やカタログ販売をしている店4月1日以後も8%が残る取引があるか、1%と8%の両方を扱えるかを確かめる
- レジの入れ替えや改修を考えている店事前着手制度の対象期間と、製品が事務局に登録されているかを確かめる
- 免税事業者・簡易課税の事業者届出の特例の期間を確かめ、どれを選ぶか税務署や税理士に確認する
政府は2026年9月15日、「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」を閣議決定しました。国税庁は同じ日に特設サイトを開いています。公表したのは、2027年4月1日から2年間、飲食料品の消費税率を1%に引き下げる改正案の内容です。

飲食料品の消費税が1%になると、レジは何をすればよいのですか。

改正案では、2027年4月1日から2年間、飲食料品の消費税率が1%になります。
この記事では、レジを使うお店が確認しておくことを整理します。もとにしたのは、国税庁の特設サイト・リーフレット・Q&Aです。中小企業庁の補助金チラシの記載も使っています(2026年10月20日時点)。**国税庁の資料にあるとおり、内容は「今後、法案が国会に提出され、審議を経た上で可決・成立した場合のもの」です。**開始日や対象が変わる可能性があります。

内容は法案が成立した場合のものです。開始日や対象が変わる可能性があります。
結論:先に押さえる5つの点
| 項目 | 公表資料の記載 |
|---|---|
| 期間 | 2027年4月1日〜2029年3月31日の2年間(令和9年4月1日〜令和11年3月31日) |
| 税率 | 飲食料品1%、新聞の定期購読8%、その他10%(いずれも地方消費税を含む) |
| 対象 | 今の8%(軽減税率)の対象と同じ範囲。外食・酒類などは10%のまま |
| 値札 | 2027年2月1日〜5月31日は、条件つきで8%または1%での総額表示が認められる特例 |
| 補助金 | レジの導入・改修に「デジタル化・AI導入補助金」。2026年9月15日以降の導入・改修を事後に申請できる事前着手制度 |
1. 何が変わるか
国税庁のリーフレットでは、飲食料品に係る消費税率が1%(国・地方合計)に引き下げられるとされています。期間は、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間です。
| 区分 | 2027年4月1日〜2029年3月31日の税率 |
|---|---|
| 飲食料品 | 1% |
| 新聞の定期購読 | 8% |
| その他(外食・酒類・日用品など) | 10% |
1%の対象になる飲食料品の範囲は、「令和9年3月31日以前において税率8%の対象である飲食料品の範囲と同様」です。今の軽減税率と同じく、外食・ケータリング・酒類・医薬品などは対象外です。
Q&Aでは、2027年4月1日以後に行う飲食料品の販売から1%が適用されるとしています。ただし、例外も示されています。たとえば、深夜営業の店が午前1時で日々の売上を締めている場合です。継続している売上計上の基準に従い、4月1日の0時〜1時の販売を3月31日分として計上することがあります。そのときは、その時間の販売に8%を適用して差し支えないとされています。
2. レジで確認すること
税率の設定
1%になるのは、いま8%(軽減税率)で売っている商品です。レジの商品マスタや部門で「軽減税率8%」にしている商品を、2027年4月1日から1%で計算する設定が必要になります。10%の商品(酒類・日用品など)は変わりません。

軽減税率8%にしている商品を、2027年4月1日から1%で計算する設定が必要です。
飲食店では、同じ料理でも店内飲食とテイクアウトで税率が分かれる点は今と同じですが、差が大きくなります。
| 本体価格1,000円の料理 | 現在 | 2027年4月1日から(予定) |
|---|---|---|
| 店内飲食(10%) | 1,100円 | 1,100円 |
| テイクアウト | 1,080円(8%) | 1,010円(1%) |
| 差 | 20円 | 90円 |
(当サイトによる単純計算。端数処理は考慮していません)
レシート(簡易インボイス)
Q&Aでは、飲食料品の販売では、インボイスに書く適用税率が1%になるとしています。消費税額も1%で計算した金額になります。それ以外の記載事項は変わりません。今と同じく「軽減税率の対象品目である旨」を書いていれば、「税率1%の対象品目である旨」を新たに書く必要はありません。
小売店や飲食店が交付できるのは、簡易インボイスです。簡易インボイスでは、「税率ごとに区分した消費税額等」か「適用税率」の一方の記載で足ります。
4月1日以後も8%になる取引

4月1日以後も8%のままになる取引が、あるのですね。
Q&Aでは、次の取引は2027年4月1日以後でも8%が適用されるとしています(選べるものではなく、該当すれば8%です)。
- 定期供給契約:2027年1月1日より前に結んだ定期便などの契約で、4月1日より前に代金を受け取っている分
- 通信販売:2027年1月1日より前に販売条件(カタログなど)を示し、4月1日より前に申込みを受けた分
ただし、契約や販売条件で1%を前提にしていることが確認できる場合は1%になります。2027年3月31日以前に8%で売った飲食料品が4月1日以後に返品された場合は、8%で計算します。
POSレジに「適用日を指定して税率を切り替える」機能があるだけでは足りない場合があります。こうした取引が混ざるお店は、1%と8%の両方を扱える設定かどうかを確認しておく必要があります。
3. 値札・メニューの総額表示の特例
国税庁のリーフレットでは、値札の切り替えについて特例が示されています。対象は、税率引下げに対応した総額表示にすぐ切り替えるのが難しい事情がある場合です。2027年2月1日から5月31日までの間は、飲食料品を8%または1%で総額表示しておくことが認められます。条件は、実際の支払額と誤認させない掲示などをしていることです。新旧の税率が混ざった表示も認められます。そのため、値札の貼り替えを、税率が変わる日に一斉に済ませなくてもよくなります。

事情があるときは、2027年2月1日〜5月31日、8%または1%の総額表示が認められます。
「難しい事情」としては、次の例が挙げられています。「夜間の値札の貼り替え作業に対応できない」「カタログや商品パッケージ自体に価格が印字されている」。引下げが終わるとき(2029年2月1日〜5月31日)にも、同じ特例が設けられるとされています。
4. 免税事業者・簡易課税の事業者の特例
飲食料品の売上の税率が1%になると、仕入れ(8%や10%)に含まれる消費税のほうが大きくなる場合があります。リーフレットでは、課税事業者として一般課税で申告すれば還付を受けられるとしています。そのうえで、届出の時期について次の特例を示しています。
| 対象 | 特例の内容(リーフレットの記載) |
|---|---|
| 飲食料品を売る免税事業者 | 2027年4月1日の属する課税期間中(個人事業者なら2027年末まで)に「課税事業者選択届出書」を出せば、その課税期間から課税事業者になれる |
| 飲食料品を売る簡易課税の事業者 | 同じ期間中に「簡易課税制度選択不適用届出書」を出せば、その課税期間から一般課税で申告できる。いわゆる2年縛りは適用しない |
| 簡易課税を続ける事業者 | 1%の飲食料品の売上税額と同額を仕入税額として計上する計算の特例(2割特例・3割特例も同様) |
自分のお店がどれを選ぶべきかは、売上と仕入れの構成によって変わります。税務署や税理士に確認してください。
5. レジの導入・改修に使える補助金(事前着手制度)
中小企業庁のチラシ(2026年9月15日、Ver1.0)では、税率引下げに向けた支援が示されています。「デジタル化・AI導入補助金」で、スマートレジの導入とPOSレジの改修を支援するとしています。

中小企業庁のチラシでは、スマートレジの導入とPOSレジの改修への支援が示されています。
| 類型 | 主な対象経費 | 補助上限額・補助率 |
|---|---|---|
| スマートレジ類型(従来型のレジからの切り替え) | スマートレジシステムの購入費・クラウド利用料、導入設定・研修・保守サポート | ソフトウェア・役務:1機能 〜50万円、2機能以上 〜350万円。50万円以下は3/4(小規模事業者4/5)、50万円超〜350万円は2/3 |
| POSレジ類型(新しい税率への改修) | POSレジ・受発注・請求書管理などのシステム改修費、POSレジシステムの購入費・クラウド利用料 | 同上 |
| ハードウェア | PC・タブレット購入費(スマートレジ類型)、レジ購入費(POSレジ類型) | 〜20万円・1/2 |
「機能」は「会計」「受発注」「決済」を指します。
- 事前着手制度:2026年9月15日以降に、補助対象となるスマートレジの導入やPOSレジの改修を先に行い、事後に補助金を申請できる特例
- 対象期間:2026年9月15日〜2027年3月(調整中)
- 申請受付:2027年1月〜3月(調整中)
- 注意点:レジの導入は、あらかじめ事務局に登録されている製品が対象。事後申請のため、契約・納品・支払いの書類をすべて保管しておく必要がある(中小企業基盤整備機構 J-Net21 の記事より)
チラシは10月20日時点も Ver1.0 のままで、公募要領は「後日」掲載とされています。事務局のホームページで公開されたかは、今回確認できていません【不明】。
6. スマレジの場合
スマレジは公式サイトの「税率変更対応」ページで、すべてのプランが「食料品8%→1%に対応」すると案内しています。同ページによると、複数税率と税率変更に標準で対応しています。税率は設定画面から変更できます。適用期間を指定して、施行日に合わせた事前準備もできます。商品・部門ごとの税率設定とまとめての変更、販売時の「店内飲食」「テイクアウト」の切り替えにも対応しています。
スマレジの「消費税減税ナビ」(10月14日更新)には、「デジタル化・AI導入補助金」の対象サービスだと書かれています。同ページには、税率変更はスマレジ側で一括対応し、契約中の店は現時点で対応不要とあります。2027年の対応は、制度確定後に知らせるとのことです。対象になるプランや機器は、スマレジの案内で確認してください。
スマレジの料金・手数料・解約の条件は、スマレジの料金・手数料・解約にまとめています。決済手数料の税込・税別の表記の読み方は、決済手数料の「税抜・税込・非課税」表記の読み方にあります。2026年11月1日から変わる免税販売の仕組みは免税店のリファンド方式で整理しています。
7. いま確認しておくこと

今のレジが1%の税率と適用日の設定に対応しているかを、先に確かめましょう。
- 今のレジが1%の税率と適用日の設定に対応しているか:対応していない場合は、改修か入れ替えが必要になります
- 店内飲食とテイクアウトの税率の切り替え:飲食店は、差が20円から90円(本体1,000円の場合)に広がります
- 8%が残る取引があるか:定期便・カタログ販売など
- 値札・メニュー・ECサイトの価格表示:2027年2月1日〜5月31日の特例の条件
- 補助金を使うか:事前着手制度の対象期間と、製品が事務局に登録されているか
- 2年後に戻る:引下げは2029年3月31日まで。終わるときにも設定と表示の見直しが必要です
ここまでの内容は、2026年10月20日に国税庁・中小企業庁・スマレジの公式サイトで確かめたものです。国税庁の特設サイトには、10月6日に説明動画(詳細版)、10月9日に消費税申告書様式のドラフト版が追加されました。国税庁は最新の情報を随時掲載するとしています。
公式サイト・申込窓口
出典と調べた日(2026-10-20)
- 国税庁 消費税率引下げ特設サイト https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/zeiritsuhikisage.htm
- 国税庁 リーフレット「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて」(令和8年9月) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0026008-127_leaflet.pdf
- 国税庁 飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A(令和8年9月) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0026008-127_qa.pdf
- 中小企業庁 デジタル化・AI導入補助金(事前着手制度)チラシ https://mirasapo-plus.go.jp/wordpress/wp-content/uploads/2026/09/15181603/digital_ai_shohizei.pdf
- スマレジ 税率変更対応 https://smaregi.jp/product/taxrate.php



